という猫もいました。1週間だけ。茶トラの、スリムでハンサムな、頭のいい、性格もいい猫でした。だからすぐに貰われていきました。
この猫は、小学校のそばに捨てられていたのを、1軒おいて隣のY家の悪ガキが連れて来てしまい、母親に「捨ててきなさい」と言われ、向かいの文化住宅に捨てたという、「二度捨てちゃん」でした。夕方になって、ひとりポツンと文化住宅の階段で途方にくれて座っていたのを連れ帰りました。
健康で、他の猫ともうまく折り合い、聞き訳がよくて物静かながら子猫らしくよく遊ぶという、理想的な猫だったので、獣医の貼り紙をしてすぐ、貰われていったのです。
「捨吉はいい子やったなぁ」。その1週間後に、同じ茶トラながらとんでもない子猫が登場するとは、そのときの我々は知る由もなかったのです(次回に続く)。